伊藤公之
KIZAKURA Field Staff  ( HN 秋田のキミちゃん)
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(いとうきみゆき) 1965年生まれ 秋田県由利本荘市(旧岩城町)出身
 
2007( 9/21 金 )公開分 第37回
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東北エリアでも人気の全層釣法。秋田県の男鹿半島はクロダイ釣りのメッカとして人気のエリア。今年から KIZAKURA Field Staff となった「秋田のキミちゃん」こと伊藤公之さんは、昨年開催された東北クロダイバトルの優勝者。単に優勝したからではなく準決勝・決勝と全層釣法を駆使して勝ち抜いたその実力を評価されました。そしてもうひとりのニューフェイス、若手のホープと期待される小松貴史さんは、ルアーフィッシングからフカセ釣りへと転向し全層釣法の魅力にとりつかれ、次々とクロダイを釣り上げる実力者として地元でも、その活躍が大いに期待されています。秋田・男鹿で開催された懇親実釣講習会の終了後、ニューフェイスのお二人と「キザクラおまつ」の3人は、釣果を出すべく残業モードに突入。夕まずめゴールデンタイムを狙う事になりました。潮が動かず、風にも吹かれ、午前中の懇親会では釣り上げたクロダイの姿も数尾のみ。西日本エリアでのクロダイ(チヌ)釣りと比較し、非常に厳しい条件下で狙う東北エリアのクロダイ攻略をご覧下さい。

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所見の磯をどう釣る!?

1.自分が置かれた状況

私のホームグラウンドは男鹿半島である。

そんな中でも磯釣りを始めて10数年になるが、未だに乗った事がない島々がたくさんある。それでも、初めて乗った磯なのに同じ男鹿の磯だから条件は一緒!?と思いながら釣りを始める読者の皆様も少なくないのではないだろうか・・・

まして自分の場合は会社員のかたわら農業も営んでいる兼業農家(貧乏暇無し!)であるため、釣友を始めとする他の釣り師が春の乗っ込み秋磯シーズンを楽しんでいる時にぐっとこらえて汗をかいている様な生活環境であるからこそ、数少ない釣行時には『行ったからには1枚を・・』の精神で釣りを楽しんでいる。

初めて参加したキザクラカップでは、男鹿大会(予選)、庄内での決勝戦を制した訳だが、どちらも今まで乗った事のない磯場での釣果が勝因に結びついたものでもあったので、この様な初めての磯でどの様な釣りを行ったのか簡単に?分かりやすく説明したいと思います。

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2.とっかりで決めたこと

私の場合、初めての磯だからといって何をどうしようか?あぁしようか?といった事は全くなく、いつものスタイルで釣りをする様にしています。普段の釣り方は0,00号のウキを使用した全層(スルスル)であり、強い向かい風や、波が荒くて仕掛けが落ち着かない時以外は常にこの全層で対応しています。

また、自重のあるウキを組み合わせる事によって、浅場から深場、磯際から遠くのシモリ際(遠投)まで幅広く探る事が出来きます。更に、浮き止めが無いせいで、魚にも違和感なく食わせる事がこの釣りの大のメリットでもあります。

実はこの釣り方を始めたきっかけは、私の師匠である大知昭名手が去年の秋に初めて男鹿半島へ
釣行された際に、自分も同行して教えてもらった時からのものであり、まして使った事もないウキで
どの様に魚のいる棚へ仕掛け、付け餌を誘導させるかがこの釣り方の難しさでもありました。言ってみれば、未だスルスル釣りの初心者!?1年生でもあります・・・

さて、話を本題に戻そう。 単に全層をしたからと言って釣果に結びつくものでは無く、色々な要素が組み合わさってこそ、1枚を物に出来ると自分は考えています。 その要素とは・・・

(1)ウキ

自重があり(どっしりタイプ)ラインを通す穴が大きいか、摩擦抵抗を抑えた材質を使用して
いるウキが、ラインの滑りも良く深棚まで早く仕掛けをなじませる事が可能である。
今回のキザクラカップでではIDR ARA 0号を使用した。

(2)ハリスウキ

このウキは一見地味な存在であるが、潮の抵抗を受ける事によって、
潮がどっちの方向に流れているのか?また仕掛けがどれくらいなじんで行っているのかを
知らせてくれる!無くてはならない
アイテムと言えよう。今回のキザクラカップではJクッションのJ3を使用した。

(2)道糸

a軽い仕掛けでコマセとの同調を行うため、ロッド、ウキ等の影響を
受けにくいラインが必要となる。

私の場合、風のある時には沈むライン、風の影響が無い時には浮くラインを使用しており、ラインの太さも、仕掛けに抵抗のかかりにくい1.5号や1.7号をメインに使用している。

今回のキザクラカップでは、シマノファイアブラッドZEROサスペンド1.7号とTORAY銀鱗SSハイポジションフロート1.5号を状況によって使い分けて使用した。

(3)ハリス

私は、道糸の太さとハリスの太さがほぼ同じである程、強度があると思っているので、
ハリスの太さについては、選定した道糸の号数によって使い分けている。
今回のキザクラカップでは全層アグレ 1.25と1.5号 4〜4.5mで使用した。

(4)ハリ

皆さんも1日中釣りをしていると気付く事があると思いますが、魚の食いは常に同じではなく、
飲み込んでいる時や皮一枚の状態の時など様々である。
まして今のモゾッとした当たりが本命だったかも・・・とならない為にも、軽くて刺さりが良く、
強度のあるハリを使用している。
今回のキザクラカップではキンリュウ勝負ちぬ(1〜3号)を使用した。

(5)コマセ

約6〜7時間の釣行を目安とすると、オキアミ6s、マルキューチヌパワームギ2袋、
白チヌ1袋を前日から粘りを出す様によく混ぜておきます。
そうする事で、深棚を狙ったり、遠投したりする事が容易に出来るコマセが仕上がります。
また、磯に上がった際にその辺にゴミを散らかしたりする心配もありません。

(6)付け餌

寒クロ、乗っ込みシーズン以外は餌取りが活発となるため、3つの異なる付け餌を常に
釣り場に持ち込んでいる。
私の場合、生オキアミ、ボイルオキアミ、練り餌と堅さの異なる餌を使い、
餌の残り方をみながら海中の状況を判断する事が多く、
練り餌が残ってくる場合にはボイルを使用したり、ボイルが
残れば生オキアミ・・と行った様にローテーションさせている。

   以上の6つが私の釣りには欠かせない要素(基本)である。

3.釣りの組み立て方、進め方をどうしたか

a私の場合は最初に磯際から始めて、どの深さでどんな魚がいるのか? どこで根掛かりするのか?を確認し、それからサラシの切れ間、サラシの先、沈み根の上、 沈み根の際、溝等を丹念に流していくオーソドックスな進め方である。

この時にあまり魚の反応が無い場合は、ハリス、ハリを1ランク落として、再度磯際から釣りを始める様にしている。

餌取りが多い時でも、練り餌を使って(時にはピンポン玉の大きさで使用する時もある)前述と同様の進め方をしているが、餌取りの猛攻で練り餌が残らない場合は、逆にオキアミを使ってハリスにはガン玉を一切打たない状態でゆっくり沈めると意外に底まで入って行く事が多いので、餌取り対策 の一つとして試してみて頂きたい。

4.注意した事

全層での釣り方のため、ラインに負担をかけない様に仕掛けを送り込む事と、
仕掛けがどの様に流れている、もしくはどの深さまで潜行しているかを常に観察し、
自分の狙った場所へハリの付いた餌が到達する様にするためのラインメンディングを
しっかりと行った。また、餌取りがどの場所にいて、どんな動きをするのかも確認しておけば、
大きい魚が寄って来ている・・等の状況判断にも繋がるため、餌の取られる箇所、
餌の残る箇所を意識して一投ごとの位置を変えながら行った。
仕掛けとコマセが常に同調する様に注意しているが、サラシの出方で細い筋上になって
仕掛けと同調 が取りにくい時があるので、ウキの投入地点を中心とすると広範囲に
コマセを撒いて、確実に同調させる様にした。

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a5.始めての磯から学んだこと

結局は、普段じぶんが行っている釣り方で結果を出した訳だが、釣り場の状態が浅場でも深場でも全層での釣りはオールラウンドに対応出来るのだと実感している。

ただ、いつも深場を重い仕掛けで狙っていると、いざ大会などで浅場に面した磯にあがった時には慣れていない仕掛けを使用する事となり、かえって不利になる事が多いと思うので、是非全層 による釣法も自分の引き出しの一つとしてマスターしては如何でしょうか。

初めての磯に立つと頭の中が白くなってしまいがちですが、先ずは足下から始めて、それがダメならシモリ、溝等を手前から沖にかけて、丁寧に釣ってみると釣果が伸びるケースがあるので、何度も通って分かっている磯であっても、自分の持っている手法を全て出し切る様な釣りを展開すれば結果が付いてくると感じています。