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釣行日記 二日目(6月7日) reported by 佐藤 浩克
6 日の夜半から南西風が強くなり、昨日の北寄りのウネリは抑えられていますが、これは単に一時の事のようです。
気圧配置図と雲の流れの映像を見ても、『昼まで保てば良いのかなぁ』という感じです。
乗船するところより計って5分以内の、港から出てすぐ近くに有る、地磯続きの先端部に位置する『上ノ来島 ( カミのクルシマ ) 』という、沖に細長く伸び出している磯に渡礁をしました。
沖に向いた状態で右手に『中ノ来島・ナカのクルシマ』という離れ磯。
その更に右側には『下ノ来島・シモのクルシマ』という沖磯が、粟島本島から沖に向かって平行して並んでいるのです。
加えて各磯の間には、水深約 10m 前後の水道も並んで走っています。
また、下ノ来島の右側は大きな湾で、港への出入り口となっているのです。
 
地形等から察するに、乗っ込み時期には理想的な地形となっていると思うのですが、如何せん港に近過ぎる為なのか、不人気な場所と化しています。
がっ!しかし、私にとりましては、偶に様子を伺っておきたくなる、気になる磯なのであります。
 
それというのも…
以前に上ノ来島に於いて 80cm の真鯛、中ノ来島では数釣り、下ノ来島では数釣りと型物が混る、高確率な実績を残している磯だからなのであります。
(少々自慢をしてしまいました)

はてさて、釣り座と海上の状況はというと…
昨日とは一転して北(沖に向かって左から右)へ流れる速めの潮流と、左前方からの風が吹いている様な状態でした。
道具の支度が終わるのを待っていたのか、それに合わせたかの様に、風が強くなってきたではありませんか!
 
やはり誰かに…恨まれている…
 
そんな風に被害妄想を抱くのが常なのです。
天候以外にも釣れなかったり、あまり良くない事が身に降り懸かると、悪い事が起きたのを他人のせいにして、決して自分の素行が原因だとは、西からお日様が昇って東へ沈んだとしても、全く以て思わないポジティブ !? な性格をしているのであります。
この様な状況下での狭い先端の釣座では、極めて釣り辛い状態でしたので、足場的にも楽で風裏になる、水道側にしようかと思って覗いてみると、何万匹という豆フグちゃん達が、お友達と仲良くお遊戯をしておりました。
そんな豆フグちゃん達のお遊戯と、必死に頑張っている釣友を温かい目で見守りながら、風向いでの釣りを選択する事にしたのです。
そうと決まれば取り敢えず、先端部左側の出崎に立ち、 1.5 号の竿に 2.5 号の道糸とハリス。
ウキは 『標』 00 を選択し、ハリスにガン玉 6 番の二段打ち仕掛けで、期待薄な雰囲気が蔓延している、釣行2日目の釣りを開始したわけなのでありました。 開始して数投目、思ったよりも風が海面に当たって吹いて来るのを感じ、ガンタッチの 6 番を追加してみると、先程よりは馴染み方も良くなったのですが…
何かこう、シックリとした感じを得る事が、ハッキリとできなかったのでありました。
そこで、 『IDR 日本海・真鯛』 00 という大きくて自重の有るウキに交換をし、ガン玉を 5 番と 6 番の二段打ちに変えてみる事にしました。
序でに餌も大きめの物を選び、頭と尾羽を取って首の方から刺し、再投入をしてみたところ、やっと妥協範囲に達する事ができたのであります。 余裕が少し出来た事で、魔術師の様に撒き勺でバッカン内をコネくり回していると、左から右の潮流に乗って流れていたはずの仕掛けが、沖側へと引っ張られているではありませんか。
続いて、軽く指で押さえていたラインが、バチバチと弾けて行ったのです。
 
あらよっと!
竿を煽ってアワセてやると、手元にズッシリとした重みと、生命感が伝わってきたのです。
 
『うひょ〜!ラッキー !! 』
と思いながら、ラインをババババッと送ってやると、疾走は僅か 10m 程で敢えなく衰退。
竿を斜に構えて矯めてみると、間隔を置きながら竿を叩く様な、身に覚えの有る引き具合を感じてしまったのです。
 
『ありゃ !? 』
重みを感じるも容易に寄って来る魚。
乳白色っぽい濁りの中から、ヒョコっと出して来たお顔は…
(薄々判っておりました)
 
案の定 !!
 
『ちっ、ちっ、ちっ、チぃ〜ヌぅ〜〜 !! 』
まっ、ゴミと一緒にボラ等が釣れたのでは無く、 50cm 超のヌーチー君 だったので、多少の落胆はしたものの、周囲ではフグしか釣れてない現状を考慮しますと、ちょっぴり嬉しい気分になったのでした。 何やかんやで小一時間が経った頃、見回りを兼ねてブレックファーストを持った船が現れたので、この磯にはチャチャ〜っと見切りを着けて船へと乗り込んだのです。
船長と話をした結果、取りあえず北の方の磯へ向かう事にしました。
しかし、当たり前田のクラッカー(何人知ってるかなぁ?)で、条件の良さそうな磯場は、一番船で行かれた方々で、既に埋まっている状態です。
そんな中でポカンと空いていた『ヘシダ』という、地磯の先端部に磯変えをする事にしたのです。
(今日は地磯日和になってしまった)
この磯場は風裏になっており、足場の良いステージみたいな形状の所です。 渡礁直後は快適そうに思えたのですが、左から右への南西風が朝方よりも強くなり始め、加えて、背にしている山側からの贈り物として、砂混じりの潮風が、容赦なく吹き降ろして来る様になってきたのであります。
お陰様で顔や耳や首筋が、ジャリジャリになってしまう有り様です。
近隣の釣り人を見渡してみると、あまり芳しく無い様子でした。
『まぁ、取り敢えずコマセを入れてみよっ!』という事で、沖側と晒しの際に入れてみたところ、右へマッタリと流れている様に感じました。
取り敢えず 『標』 00 にガン玉 8 番の二段打ちをした仕掛けで、新たな気分で挑んでみる事にしたのであります。
投入してみたところ、馴染み方に対して違和感を覚えたので、 J クッションの 6 を追加してみましたが、それでも仕掛け全体のシックリ感というか、マッタリ感とうか、今ひとつ伝わって来るモノがなかったのです。
暫し悩んだ末に、 D.SUS の J3 と匠海の 0 シブにバランサー を貼り付けた( -B 弱相当)、二段ウキの仕掛けに登場して頂きました!
払い出しと晒しの間に投入すると…
あぁ〜ら不思議 !?
水面から約 50 〜 70cm 下に差し掛かった頃、仕掛けが沖側へと差し込んで行くではありませんか。
おやっ?面白い!
キッカケらしき事を見つけ得たもので、ルンルン気分の鼻歌交じりで糸を垂らしていると、ラインを沖側へと引っ張る輩が現れたのです!
合わせ一発!
ヒョヒョ〜イと巻き上げてみると、結婚式に出席して御祝儀を渡した覚えが無いのに、引き出物のチャリコを頂く事に成功しました。
おぉぉ!
 
伝家の宝刀『 D.SUS 』が、兼ね揃えて持っている魅力と威力の一部を、僅かながらも自分自身で引き出せた事に対し、純粋に感動をさせて頂く事ができました。
釣り上げた引き出物をサッサと外し、仕掛けを再投入して間も無く、 沖側下方部へと引ったくって行く、謎の輩が現れたのです!
 先ほどの引き出物よりも重さの有る輩を、グググィ〜〜っと手前まで寄せて来た時です。
 
恩知らずな謎の輩は、断りも無く私を裏切って、何処ぞへと逃亡してしまったのであります。

逃亡されてしまった後の仕掛けを上げてみると、ハリスやラインが切れたのでは無く、結んでおいた筈の鉤が姿を消していました。しかも、鉤のチモトが切れてたのでは無くて、ハリスの先端部には鉤を結んだ時に出来た結び目が、ちゃんと残った状態だったのです。
『んっ ?? …』
鉤の耳が無くなったのか、耳から結び目がスッポ抜けたのか、その不思議な出来事の真相に関しては、裏切って逃亡した謎の輩と、神様だけが知っておられる事なのでしょう。
“目からウロコ、ハリスから鉤&魚 !! ” 溜め息混じりに周りの釣り人へ目をやると、 本来の潮流は沖側へと流れているという事に、誰も気付いている人は居ない様でした。
 
バラした後は例に漏れる事なく、餌を盗られる事もアタリも無かったのですが…転んでもタダでは起きない私は、 D.SUS 二段ウキをより学ぶため、色々と変化を与えながら、黙々と打ち返していたのであります(負け惜しみ !? …笑)
 
 『ウネリと風が強くなって来たなぁ〜』と、思っていた午前 9:00 過ぎ、エンジンの音が近付いて来て、船長が大きなヂェスチャーで荒川 !?もとい、バッテンを作ってこちらにアピールをし、敢えなく撤収と相成りました。 [本日の釣果]
 
チヌ: 1 枚
チャリコ: 1 匹
貧果でありました。
 
[寸評] D.SUS を使用二段ウキの実釣に関しまして)
 
日頃から御師匠さんが仰られている、 『実践の無い理論は虚しい』 という言葉の重みを、改めて感じさせられた時でありました。
 
[追記]
(今回の D.SUS を使用した二段ウキ釣法の観察日誌より)
 
投入して間もなくは、風潮の影響で右へと流されながら、上下のウキは引っ付き気味になる。
 
下ウキが沖側下方へ揺れながら沈下して行き、暫くすると孕んでいるハリスが馴染み出してくる。
 
更に下潮の影響を受け始めると、揺れながら沈下していた下ウキと、漂い気味になっていた上ウキとの間の距離が開き始める。
 
ハリスが起って刺し餌が潮を掴み出すと、下ウキによる押し込みから解放された様で、上ウキと下ウキと刺し餌の3点が、ピシッと直線上に並ぶのであります。
(想像と手応えから)
 
後は常に竿先のラインの垂れ具合を 『しの字』 になる様、また、抵抗を与え無い様に払っていれば、素直に潮流へと乗って行くという塩梅なのです。…よねぇ?
 
三日目に続く・・・乞うご期待!?
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