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釣行日記 11月19日

【1日目】

11月19日と20日、一泊二日の行程で新潟県の離島、粟島へと行って参りました。

新潟の岩船港より汽船で1時間30分をかけ、粟島の東側になる内浦港へは、定刻通り
の12時に到着しました。

汽船発着場の内浦地区から、西側の釜谷地区にある船宿までは、宿が用意したワゴン
車に荷物を積み込み、南北に連なっている小高い山並みを超えて、移動をしなければ
なりません。

船宿の作業小屋に到着したら、ワゴン車から荷物を一旦降ろし、着替えと支度を済ま
せ、不要な物を作業小屋に置き、新型の軽トラに道具類を積み込み、目の前の瀬渡し
船が係留されている港まで、運んで行くのであります。

乗船後に船長と磯の選択に関して話し合った結果、立島という大きな磯へ向かう事に
決まりました。

少々当てに成らない船長の情報によると、水温は約17℃で、ここ半月余りで1.5〜2℃
ほどの低下。
南東の風3m、波高0.5m、やや高潮気味という事でした。

まぁ、前々日まで結構な感じで荒れていたのですが、急激な水温低下も引き起こして
ない様ですし、水色も白っぽくも茶色っぽくもなく、青黒っぽい透明感の有る色でし
たので、そこそこ期待が持てる感じでした。

立島へ渡礁をして、そそくさと支度を終わらせ、南寄りの風がそよいでいる先端に立
つと、風と潮が同じ方向に行っている様でした。

取り敢えず、正面沖側にコマセを投げ入れてみると、ユッタリと沈下拡散しながら、
綺麗に右方向へと流れて行く下り潮である事が、これによって完全に証明されまし
た。

というのも、下り潮の時はポイントも遠く、貧果になる事が多いので、厄介な事にな
りそうなんですよ。

『あんまり好きな潮ぢゃ、ねぇ〜んだよなぁ…下り潮は...』

ボヤキながら数杯のコマセを投げ入れ、左前方20mほど沖に仕掛けを投入。

追加のコマセを潮上に撒いて、暫くその様子を伺ってみる事にしました。

カナリ言い遅れてしまいましたが、今回の仕掛けは次の通りです。

肝心要のウキは、IDRプロのイエロー0にバランサーを貼り付けたカスタマイズ仕様。
(臨機応変に適当な量を貼付)

竿は1.75号5.3m。

リールはLB3000番。

道糸はサスペンドタイプ3号を200m。

ハリスはフロロカーボン3号。

7番と8番のジンタンをトッピングし、等間隔に各1個づつ。

まぁ、いつもの事で、秘めごと始めは…もとい、釣り始めの仕掛けは“Simple is
Best”なのであります。

閑話休題。

下り潮に乗って流れて行く仕掛けに対し、ストレスと抵抗と殺気、それと邪な感情を
最小限に抑え、丁寧に道糸を払い出しながら流し続け、コマセをバラ〜ンと、お一
つ・お二つ・喜んで!

足下から引かれて行く潮筋に、“トドメ”のコマセを3杯ほど打ち込み小休止。

60〜70mほど流したところで、仕掛けを回収確認してみると、刺し餌が丸々残ってき
ました。

『ゲェ〜、餌取りも何も居ないのかよ』

と、サゲ気分で思いつつも、流す距離を変えながら、先程の様な工程を繰り返す事1
時間余り…

『まぁ、何という事でしょう。』

指の隙間からバラバラっと、糸が出て行ったので、ヒョイと合わせて巻き上げてみる
と、可愛らしいチャリコちゃんが釣れて来たではありませんか。

テンポよく2匹目の攻略を試みましたが、全くコンタクトが有りましぇん。

そこで気分転換も兼ね、仕掛けの変更をする事にしてみました。

黒魂の00ピンクと潮受けクッションSのセットに、ハリスの真ん中より少し上にジン
タン7号をひとつ着け、鉤を大きめのものに変更。

艶やかな黒魂を使用した理由には…

『表面積が大きくて“自重”が有るので、“潮を掴み”ながら流れてくれる、ドッシ
リ型だから』
と、思ったからで、潮筋から外れにくく、道糸操作の負担が軽減されるから…
などとは、思ってもみましぇんよ。

因みに鉤を大きくした理由は、“大きな餌を強調したかったから”です!

はてさて、仕掛けの変更後は50mから100m位の間に出来たヨレを、妄想を膨らませな
がら探って流して回収を、繰り返し行い、その度にジンタンの数を増やしたり減らし
たり、位置をヅラしてみたりと、マイナーチェンジも施してみました。

しかし、何をしてみても、甘噛みされる事が数回あっただけでした。

そんな状況下でも、確実に言える事が二つ有ります!

海面に湧き上がった餌を、カモメが一心不乱になって食べている事。

時折、水面に描かれる、結構デカイ半円状の水飛沫が出現している事。

『誰でもって分かる事ですがネ!!』

頑固な私は自分の釣法を、金科玉条の如く信じ込み、『何で釣れねぇんだよ?オカシ
イだろ!!』と、首を傾げながら、トントコトントコ仕掛けを流し続けたのでありま
す。

ファンタジーな世界に引き込まれそうになっていた時、竿下でS字を描いていた道糸
が、ピーンと張り出して行くではありませんか。

竿先に伝わるコツンコツンという小さなアタリを感じ、慌てず焦らず心して竿を起こ
し、片方の手でリールをカバーする様に添えながらフッキング!

その瞬間、強烈な力で竿が伸されたので、慌ててレバーから指を離すと、ローターが
“ヴォーン”と轟きながら逆転したのです。

不意を突かれて対応に遅れが生じ、変んな角度で肘を捻り、“ズッキィーン”とした
痛みが頭の天辺まで走りました。

しかし、肘の痛みよりも遥かに痛かったのは…

強烈な力で竿が伸された時、ヴォーン・バチーンと道糸が切れて飛んだ音と、カラン
コロンと微かに聞こえた悲しげな金属音。

その悲しげな金属音の正体は、手元のリールにあったのです。

違和感があるリールの形に、目ん玉をひんむいて凝視してみると、ローターとベール
が留めてある部分のカバーが粉砕し、ベール全体が無くなっているではありません
か。

『何だ!?…はぁ〜?』

『べ、べ、べ、ベールが無ぁ〜い!!』

ただ、不幸中の幸いだったのは、切れた道糸がベールに絡んだり、リールシートが破
損していたら、ガイドと竿にも被害を及ぼし兼ねなかったと思いますが、リールだけ
の破損で済んだという事です。

尚、先ほど交換したばかりのウキは、特定失踪物リストに記載させて頂きました。
(補給願います)

驚きと落胆が入り混じった、複雑な想いを整理しながら、アニバーサリーな予備の
LBDリールを装着し、IDR-PRO-0のLを道糸に通し、カラフルなスイベルに道糸を結び
終えようとした時、同行した釣友が魚を掛けて、騒いでいました。

『まったく何でまた、こんな時にぃ…時合いか?』

と思いながら、心優しい私は仕掛け作りをしていた手を一旦休め、玉網を握って駆け
つけてあげたのです。

暫しその攻防を見守っていると、浮いて来たのは80cm位のワラサでした。

『という事は先ほどリールを破壊したのも!?
青物の仕業になるんだろぅか?』

と、想いながら、気持ち此処に在らずでボヤっとしながらも、無事に魚を玉網に収め
てあげました。

その後、釣り上げた魚を本人に持たせ、失敗したと言っては撮り直しをし、魚の重さ
で小刻みに震え出すのを待ってから、親切丁寧に縦横交互に、何枚もの記念撮影をさ
せて頂きました。

中途半端だった仕掛けを直す際、何度も撮影に失敗したふりをしている時の事を思い
出し、込み上げてくる笑いを必死に堪え、ジンタンのワレメにハリスを収めるのに難
儀してしまいました。

人生初のベール全損後の、ある意味記念すべき第1投。

速くなった潮に乗せて30mほど行ったところで、バチバチ・ババババババッ・・・
と、強烈なアタリが、またヤッてキマシた!

『ありゃ、コレも無理だっつぅ〜のっ!』

と、ネガティブ思考に陥りながら、ドタバタしながらオープンベールで道糸を出して
いると、あっという間に100m以上も出て行ってしまう始末。

ファイト一発!
ベールを返して強引に竿を引き起こすと、ドラグの音が悲鳴の様に鳴り響き、思わず
レバーを離して逆転で凌いだのですが、抵抗を加わえてしまったために、加速に拍車
をかけてしまうという、逆効果を生み出してしまい、スプールの芯が見え出してし
まったのです。

その時の疾走は道糸が根に擦れながら、形振り構わず疾走して行くことが分かる勢い
でした。

『工作員が乗った潜水艦か?』

『勘弁してくれよぉ〜』

と思った瞬間、当たり前田のラインブレイク!

『自分の不甲斐なさと不運には、もう、屁も出やしましぇん!』

気持ちを入れ換え、階段状の平らな所に背中を丸めてペタンと座り、道具バックの中
で潰れてしまったスイーツを食べながら、標00とハリスにジンタン7号と8号を着けた
仕掛けを作り、心中穏やかではない状態で、ひねもすノタリノタリな海に、ヘタレの
飽くなき挑戦を再開したのです。

がぁ、気づけば周りは既に薄暗くなっており、ライトを帽子のツバへ装着し、複雑な
気持ちで仕掛けを投入すると、既に潮流は止まっておりました。

『こんな日ってそんなもんよ』
と、溜め息混じりの小声でボソボソ。

小さな晒しと晒しの間に出来た払い出しを見つけ、仕掛けをモゾモゾっと流しての
モッコリ!?

いや、マッコリ…

いやいや、マッタリとした釣りを始めたのであります。

開始して程なく、突如バチバチ様が降臨!

『ヒィ〜ハァ〜〜っ!!』

が、しかし、先ほどとは丸で違う重量感と走り方。

その正体はイナダ君で、キープではなくチープ(Cheap)なサイズでした。

その後、立て続けに30cmほどの口太君が数匹釣れ、『サクラじゃね?』と勘ぐりなが
ら、口元を確認しながらリリース。

続けて50cmほどのチョロ政君。

続きまして登場は、引き出物の折り詰めには欠かせない、塩焼きサイズのチャリコが
2匹。

遊ばれている間にすっかり周りは夜になっており、満天の星と監視衛星に見守られ、
後方から漏れて来る月明かりの中で、道糸の張り具合を気にしながら約2時間余り。

アタリどころか餌を取られる事も無くなり、波乱万丈な1日目の釣りを終了したので
あります。

 

釣友に関してのリーク情報をひとつ!

磯上がりの時、ワラサを掛けたストリンガーを引き上げると、ストリンガーからワラ
サ君が外れ、暗闇の日本海へと帰宅されました。

『さよぉ〜ならぁ〜&ざまぁ〜みさらせ!』
とは思っても、口に出しては言いませんでした。
大人ですから。



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