このページのコンテンツには、Adobe Flash Player の最新バージョンが必要です。

Adobe Flash Player を取得

ナビゲーション

【Field Report No.140424reported by 柴原 一太(TESTER)】

長崎県の北西部に連なる九十九島で開催されるダイワバトルカップチヌ長崎予選大会に参加した。強風・喰い渋りと厳しい状況の中、試行錯誤で何とか引き出せた1枚が勝敗を分けた。


 大会予定日が4月5日なので、チヌの状況を下見しに1日に熱戦の場となる九十九島に釣行した。状況は厳しく最悪だ。大会当日が天候不良で大会は延期となり、翌々週の4月19日開催。連日の釣果を見てもあまりぱっとせず、またまた超最悪な状況になってしまった。「こんな中チヌは釣れるのか」半信半疑で会場へ向かった。
 集合場所には渋く状況が悪い中でも沢山の選手が受付に並んでいた。私もタックルチェックがあるので竿とリールを持ち、受付を済ませ、抽選番号を引く。番号は72番。船を見に行くと第五喜久丸の二番船だ。
 選手たちの張りつめた緊張を感じながら開会式が終わり、一番船が出港していく。
「あ〜あ二番船か、まぁどこに行っても状況は変わらないだろう」とモチベーションを保ちながら、船が戻るまでゆっくりと準備を始めた。
 二番船喜久丸には3人しか居ない。「えっ!もしや3人で乗る磯なの」と先々を考えながらいざ出船。港を出てすぐの磯に船が着いた。ところが船長が強風を気にしてくれ、「狭いがこっちの方が後ろから風が当たるから」と最初に着けようとした磯の内側にある礁に上がることになった。この磯は左右沖と正面沖に養殖貝のロープが有る。そのうえロープを磯に5カ所もくくり着けている為、ロープの間に3人が入り釣ることにある。釣り場は足元にハエ根と藻がありその先からドン深だ。瀬割りは、自分の番号が若かったため優先権があるので一番風が後ろから当たる場所を選んだ。
 早速仕掛け作りをはじめる、風は北東から10m程の風速で吹き付けているため海面が風で飛沫をあげて舞い上がっている状況だ。そこで、ウキごと沈めて風の影響を受けずウキ自体も潮を受け浮上がり防止を狙い、KzマグナスTP000を選んだ。ウキストッパーを付け、ウエイトの調整が簡単に出来るガンクッションで微調整していく。今回はJ5を付け全層ハリストMG1号3.5m取り、W8の字結びで直結。チヌ針2号を結んだ。競技開始と共にまずはチヌを寄せる場所を作る。竿 二本ほど先にマキエを10杯程打ち仕掛け投入。10杯程追い打ちしアタリを待つ。潮が右沖の養殖ロープ方向へほんの少し流れているようだが、全く生命反応が無く回収すると餌もとられずそのままだ。何度も繰り返しているが、時間だけが過ぎて行く。状況の打開策を考えハエ根の先ドン深の駆け上がりを釣ったり、仕掛けも重たくしたり、軽くしたりと試行錯誤で挑む。さらには遠投し養殖ロープ辺を釣ったがやはり全く反応が無い。
 同礁者の一人はあまりにも釣れないので休んでいる。もう一人の方も色々なアプローチをしながら釣っているが全くだめな様だ。自分も根掛かり等でウキを3個もロストしてしまっていた。やや悲観的な考えが頭をよぎるが、最後までは諦めず釣ってやろうと士気を高める。午前10時過ぎに、潮が右流れから真正面沖へと変わりだした。もしかしたら今この潮で喰ってくるかもしれないと思い、ハリスへのガン玉J5を追加して投入。道糸を張り目にしていくと、何か道糸がツンと張ったので糸の送りを止める。コツンと乗って来た。合わせると全然引かないが何かがついている。アラカブだ。仕掛けは確実に入っている。同様に仕掛けを投入。またもやアタリだ。合わせると何か掛かった!しかし引かない。クサブと思いあげるとフグだった。しかし、さっきまでの状況とは明らかに変わって来ている。期待に胸を躍らせながらの気合いの一投。アタリを待っている。


その時は来た!

道糸の出が弱まり、底周辺到達した付近で道糸を引き戻す。また道糸を送り沈め、潮の流れ出でハリスを浮かすイメージで道糸を止める。道糸がつつつと引き出された。誘いをかけると竿へコンコンと乗って来た。すかさず合わせるとラインが一気に走った。これは本物だ!竿を立てると重量感が有るチヌ独特の頭を振る引きが伝わってくる。型も良型みたいでドラグが音をたて引きだされる。使い慣れていない細いハリスの為慎重にやり取りをしていく。足元にはハエ根があるからなるべく沖で浮かせないと当たってしまう。ゆっくりと時間をかけて浮かしてくるとやっとチヌが見えて来たので一気に浮かせにかかる。すると銀色の魚体が顔を出した。ここで慌てるといけない。ゆっくり水面で弱らせタモに収めた!見ると50㌢近い立派なチヌだ!急いでライブエルに活かし、今がチャンスと思い手返し良く投入していくがその後は全く駄目で終了時間を迎えた。
港に戻ると最悪の渋い状況を思わせる程、ほとんど検量に出ていない。どこもボーズばかりだったみたいだ。検量に出し、結果1尾49.8cm1994gだった。大会結果を待っているとなんと1尾で優勝してしまった。

次は全国決勝大会頑張らんといかん。

 

Kizakura Company. All Rights Reserved