Field Report

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棒ウキでクロを狙う!!

このコラムは、平山テスターがフェイスブックで発信されている、棒ウキでのグレ釣りのコラムです。
原文はフェイスブックでご確認ください!

梅雨グレ対策にも効果ありの棒ウキの使い方。
先取して勉強してみてはいかがでしょうか!
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 3か月前の1月のころ。
予定では野崎島近辺でグレを釣るはずだったのだが、その日は三連休の中日と前日のちょいシケもあって野崎島近辺は千客万来。

 お世話になった「石井釣りセンター」の船長が気を利かせて椛島までひとっ走りしてくれた。
しかし、椛島の磯も人だかり。

 なんとか鷹巣灯台手前から瀬上がりを始めたものの、私と同礁者は、10分以上釣りはじめの時刻よりも瀬上がりが遅くなった。

上がった場所は天見ケ浦の南側の出口付近で、足場が程よく、風もそれほど気にならない程度でまずはほっとする。

 開始時間も過ぎ、明るくなっていたので早速釣り支度を始める。
釣り座は同礁者が船付けから始めると言ったので、海に向かって右側に入って準備する。

 この日はトーナメントAGS1.25-53にキザクラの全層インプレッション1.75を巻いたトーナメントISO2500LBDをセット。はじめはキザクラのアクセル0シブにガンクッションJ6、ハリスはハリストMGの2.5号2ヒロをダブル8の字で直結。鬼掛けの沈め探りグレ7号を結ぶ。

 明るくなってからの準備になったので仕掛け作りは糸もスムーズに通り、ガン玉の6号も1つも落とさずにハリスの真ん中に一発で止まったのでいい出だしだ。

 釣り座について足下にぱらりぱらりと撒き餌をうちながら様子を見る。潮は左から右。じわりと竿2本程のところに潮筋ができている。暫く餌取りは出てこなかったが、撒き餌が効き出してからすぐにお客さんがやってきた。やっぱり困った鰺さんが大集結。

 こいつはタフな釣りになるぞと思いながら遠近・ツケエをローテーションしていたが、なかなか本命の当たりが出ない。こいつは困ったぞ!と思っていると、なぜか30分程でやっかいな鰺の姿が見えなくなった。今がチャンスである。
 鰺の再襲来に怯えながら足下に控えめの撒き餌をうち、恐る恐るやっていたが、どうやら本格的に消えたようで、気がつけば足下の餌取りも出てこなくなり、沈黙の海になった。

 
 潮は変わらず左から右に緩やかに流れているが餌もとられない。
引き出しはいくつか持っているが、どこにしまったかわからくなるのが常。
しかしこの時は「もしかしてタナが深いのかも」と思い、仕掛けを自立チヌの3B&全層ホルダーにチェンジ。
なるほど浮き止めを3ピロのところにつけ、一流し。
しかし餌はとられず。そして4ヒロにして更に一流し。
これでも餌をとられず、更に一ヒロあげて約1本半のタナで竿3本程先に投入。
これでも餌がとられないので、5杯程撒き餌を固め打つ。

緩やかな流れとはいえ軽めの仕掛でも、全層ホルダーは糸落ちが非常によいので、撒き餌を打ち終わる頃には仕掛けが馴染んだ。
その前の週(この時もアジゴに包囲されていた)は、全層ホルダーでの仕掛けとめっちゃ喰う!オキアミのコンビで、自立チヌがスパスパ入り、小ぶりではあったが30枚近くのグレを手にすることができていた。

 さて、仕掛けを振り込んで追い撒き餌を打ち込み、杓を立てて目を浮きの方に戻してしたが、浮きのトップ見当たらない。
ん?と探しているとラインがツーっと張ったようで、ロッドを軽く立てるとドン!といった感じでロッドが弧を描いた。
久しぶりに味わうトルクのある引きは、ドラグからチリチリとラインが出る程だ。
こいつはまずいと思い、リールを一気に巻き込んで、ロッドを横に寝せながら魚の向きを変える。
 
何とか横を向いてくれたので、太ハリスにものを言わせ更に強引にロッドを絞り込んでいく。とはいえ、重量感たっぷりの相手だけに、ロッドの復元力を信じてじわじわと寄せ、ゆっくりと浮かせてくるので精一杯。
 足下は2mほど根が張りだしているので注意がいる。

浮きが見えてきたので、横に置いたタモを手に取り、「外れないでねぇ~ 🙁 」と祈りながら足場を左下に移していく。
浮きの下に良型クロの影が見えてどきどきする。
 何とかハエ根を交わし、左側の何もない場所で浮かしにかかる。最後に根に触れたり、針が外れたりなんてのは嫌なので!

 2度程最後の抵抗もあったが、丁寧なやりとりで何とかタモ入れに成功!
50cm近い(港での計測では49cm)椛島の寒グレにどきどきが止まらない!!
ここまで釣り開始からなんと1時間半。一昨年は坊主を食らったので、約2年ぶりに椛島のクロをゲットできた。これで苦手な椛島に一矢報いたか。
 
 釣果をライブウェルにいれ、仕掛けのチェックをして1本半のタナを確認する。時折浮き止めがずれているので、確認は必須だ。
 先ほどと同じポイントに、撒き餌を先打ち、投入後、更に追い撒き餌を今度は6杯程連打。1本半の仕掛けが馴染んで、1mも流れないうちに、またもや自立チヌが視界からスパッと消える。連続のあたりにびっくりしながらもロッドを立てると、これもいい引きだ。
 先ほどより小さめだったが、40あるなしのきれいな地グロがタモに収まった。

 ちょうど竿休めでおにぎりをほおばっていた同礁者に写真を撮ってもらい、続けて3匹目を狙う。
もちろん同じポイントに、同じように入れ込んでいくのだが、馴染むと同時に自立チヌがスパッと消え去りロッドが弧を描いた。これも1匹目には及ばないもの、45cmクラス(計測では44cm)でびっくり!もしかして確変突入か!と思ったが、あたりがぱったり止まってしまった。ハリスを落とそうかと思ったが更にデカ判が来そうな感じがしたので粘ってみたももの、交代の時間が来てしまった。

 

後半戦。
場所を入れ替えての釣りとなる。
さきほどまで同礁者が釣っていた船付けは、足場がフラットで釣りやすそうだ。
日も上がってきたので場所交代のついでにハリスを1.75にチェンジ。針も軽めの速掛けグレ7号にチェンジ。
その分、なじみを考えガン玉を上に7号、下に8号を打つ。
暫く打ち返していたが餌がいつまでも残ってきているので、もしかして、もっとタナが深いかも?と少しずつタナを下げていくと、竿2本程のところでトップが消え去る気持ちの良いあたり。

一呼吸置いてロッドを立てると気持ちよくロッドが弧を描く。これもいい引きだがタモに収まったのは40cmあるなしの口太。それでもリミット達成まで後1匹。更に同じパターンで続けてのあたりで同サイズをゲット。とりあえずリミットメイクにほっとする。後は入れ替えだ。

 過去、満足釣果で良型をそろえても、何度も苦汁を飲まされた経験がある。しかもここは椛島で、50アップが揃ってもおかしくないのである。
後2匹は40後半から50アップが欲しいところだ。

 ところが流しても後が続かず餌が残るばかり。これで更にタナを深くしようかと思ったが、半ピロ深くしたところでアラカブとベラが当たってきたので、更に沖のポイントを攻めるために玄秀自立の2B改にチェンジする。自立チヌと比べ全長も長くなるのだが、重量は格段にアップするので、狙うエリアがかなり広がる。しかもトップの径が太いので、視認性も抜群だ。更に沖を攻めたいときはBS波止をチョイスする

(BSを使った釣り方は、過去のチヌ釣り取材の動画を参照ください。)

 

 投入してみると少し浮力を残していたので、トップが15cm近く海面に出ている。風の抵抗を受けるのと、馴染むまでの間の当たりが出にくくなるので、バランサーを追加して浮きを5cmほど押さえ込む。
 ポイントを広くして、30mほどおきのポイントを探っていると、久しぶりに気持ちのよい消し込みで浮きのトップが消え去った。棒浮きは食い込みがいいので、一呼吸おいてロッドを立てるのがいいのだが、尾長が当たるときは逆に早合わせが効果的だ。がっちりと針掛かりしたようで、ロッドが満月のように絞り込まれる。がっちりレバーを握り込んで心地の良い締め込みを耐えていると、重量感のある相手は、強めに設定してあるドラグから、チリチリとラインを引き出していく。

これはまずいと1匹目と同じようにロッドを倒して走りの向きを変えてやる。これでラインの出は止まったので、じわりじわりとロッドを起こして相手を暴れさせないように同じテンションで素早く巻き込む。浮きが見えて、その下にぼんやりと青白い魚影が見えてきた。想定していた足下に来てからの最後の突っ込みを数度交わしてタモに収まったのは50cmちかい口太でにんまり。帰港後の検量でも最長の50cmだった。これで40後半サイズが3匹揃ったのだが、まだまだ油断ができない。

 残りの2匹の入れ替えをと時間ぎりぎりまで粘ってがんばったが、40弱の口太を1匹追加のみとなり、入れ替えをすることはできず納竿の時間となった。まぁ、苦手にしていた椛島も何とか攻略できたし、これで少なくとも5本の指ぐらいには入るだろうとひとまずホッとする。

 港に着くとすぐに検量に取りかかったのだが、今回釣り客が非常に多く、後発の私たちは釣り場がひどく限定されたためか思うように釣果が伸びなかったようだ。
リミットメイクしたのは私を含めて3名だけで、後は3匹~1匹の人が10位までを占めた。
私は5匹で6,035gの釣果だったが、2位が2,980gだったので、自分でも驚きの結果となってしまった。

 

【ポイント図】

ポイント図

【その時の最大魚】

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